絵本「ノラネコの研究」
世にいわゆる猫本が星の数ほどある中で、本書はそうした猫本とは一線を画したものである。
小学中級向きの絵本ではあるが、題名の通りノラネコの研究記録だ。著者の伊澤雅子は大学でネコ科動物の生態野外調査を専門としているらしい。
九州の海辺の小さな町に住む野良猫「ナオスケ」の一日の行動を、夜も眠らず人目も憚らず、時に見失いながら追いかけてゆく。野良猫というのは、あまり田舎の、人が少ないところでは餌にありつけないので暮らしにくいものだが、ここは都会と違って、猫を追っていっても不審者と咎められない適度に人家のある場所らしい。